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留学紹介

近藤 直士

2009年5月からJohns Hopkins University/Wilmer Eye Instituteに留学しております。Johns HopkinsUniversityは、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアにあり、実業家ジョンズ・ホプキンスの資産を基に1876年に創立された歴史ある大学です。これまでノーベル賞受賞者を多く輩出しており、2009年にはMolecularBiology and Genetics部門の教授であるDr.Carol W. Greiderがテロメア研究の功績でノーベル医学生理学賞を受賞しました。また、大学附属病院は19年連続で全米病院ランキング1位を記録しています。

ボルチモアと言えば治安が悪い事でも有名で、アメリカの危険都市ランキングでは毎年上位にランクされています。JohnsHopkins Universityは特に治安の悪いダウンタウンのど真ん中にありますが、大学施設の要所要所に多くの警備員が常駐しているので施設内は比較的安全です。私達家族が住んでいるマンションは、研究室から車で約20分程離れた、比較的治安のいい地域にあります。そこには非常に多くの日本人が住んでいて、一帯はさながらリトル・ジャパンのようです。ボルチモアの気候は北海道に似ていると言われていて、夏は快適で過ごしやすいのですが、冬は厳しい寒さとの戦いになります。今年は記録的な大雪に見舞われ、数日間、家から一歩も出られず大変な思いをしました。

日本とアメリカでは労働観に大きな違いがあります。アメリカでは皆、仕事よりも家族や私生活を優先します。留学当初、日本と同じペースで仕事をしていたところ、周囲の人たちに「Take it easy. Enjoy your life.」とよく声を掛けられたものです。こちらでは夕方5時が来ると大部分の人が一斉に帰宅します。週末や祝日など日本人研究者以外を目にする事はめったにありません。

写真私のボスにあたるDr. James T. Handaは、眼科臨床医であり、優れた研究者でもあります。当研究室では、酸化ストレスに着目した加齢黄斑変性研究に力を入れており、これまで多くの実績を残しています。私は、日本では主に疾患関連遺伝子研究に携わっておりましたので、生化学的・分子生物学的なHanda研究室に留学することに当初は不安を感じておりましたが、今では視野を広げるいい機会に巡り会えて良かったと感じています。また、良い友人に巡り会えたことも、留学の大きな収穫だと思っています。このような貴重な機会を頂いた事に感謝しつつ、少しでも多くの事を吸収できるよう、残り1年となった留学生活を大切にしたいと思っています。
Wilmer Eye Institute

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