v 神戸大学医学部 眼科学教室 神戸市 -神戸大学眼科留学紹介、近藤直士-

留学紹介

松宮 亘

Byers Eye Institute, Department of Ophthalmology, Stanford University  School of Medicine(2019.10.27-)

かねてからの念願がかない、2019年10月末に留学のため神戸を離れ渡米しております。
この場をお借りして近況を報告させて頂きたいと思います。

私は今、スタンフォード大のByers Eye Instituteでvisiting fellowとして在籍しています。スタンフォード大学は、アメリカ合衆国カリフォルニア州スタンフォードにある私立大学で、サンフランシスコから約60km南東に下った所に位置しています。World University Rankings 2020では4位に入る世界屈指の名門校です。またキャンパスは美しくかつ広大で、面積は3310ヘクタールと世界第2位を誇り、甲子園球場860個分に相当します。(ピンとこない。。。。)
Byers Eye Instituteは眼科・耳鼻科に特化した専門病院で、スタンフォード大学からは少し離れた場所にあります。神戸大学医学部も本学からは少し距離があるイメージでしょうか。
私のPIのQuan Dong Nguyen教授はぶどう膜炎診療の専門家であり、様々な大規模試験なども手掛けています。彼のラボには世界各国から多数の医師や研究者が訪れ、現在は私も含め8名のvisiting fellowが在籍しています。
臨床のラボのため、実際の業務は意外に身近なものかもしれません。月曜・水曜・金曜はNguyen先生の外来診療日のため、問診・プレゼンなどを含めた外来診療サポートと様々な研究機器を用いた患者データの取得が主な業務になります。火曜は、夕方からカンファレンスがあり、3時間ほど現在の進行課題に対する議論が行われます。午前中には、AOSLOの撮影などエクストラの仕事も多く、気が抜けません。木曜は基本的に研究日になっています。
仕事はなかなかハードではありますが、実際の診療に参加できる貴重な機会を頂いており、刺激的な毎日を過ごしています。
Nguyen先生の診療スタイルは、非常に複雑な背景を持ったぶどう膜炎に対応するため、実際の面談・診察にかなり時間を割いています。10数名の診察でも朝から晩までかかります。またステロイドの使用を控えるため免疫学的製剤(多くは日本で未承認)を自ら積極的に用いるケースが多いため、他科との
連携を非常に重視されており、診療中に他科Drに電話をかけてディスカッションしている光景をよく目にします。徹底的に炎症の根治をめざす姿勢には、強く感銘を受けました。 実際の研究は、ぶどう膜炎の画像研究が中心になります。私の課題は、他のラボのメンバーの力もかりて行うため、さっそく拙い英語を使って無理矢理ディスカッションしています。Nguyen先生からは常に英語を改善しなさいと言われますが(汗)、それでもラボのメンバーや診療スタッフからサポートしてもらい、日々奮闘(?)しながら過ごしています。

写真:Byers Eye Instituteのパーティーにてラボメンバーと。
Nguyen先生は左から3人目、私は左から2人目。

さて、こちらのアメリカ生活も少しお話したいと思います。
現在の住まいはMountain Viewにあり、職場からは車で15分程度の場所にあります。
隣町は芦屋の高級住宅街を思わせるLos Altos、Los Altos Hillsがあるため治安も比較的良好で、ショッピングセンターも徒歩圏内ととても便利な場所です。
食料品スーパーは気の利いた商品の多い「TRADER JOE'S」がお気に入りですが、日系スーパーの「Nijiya Market」や中華系スーパー「99 Ranch Market」、韓国系スーパー「Hankook Supermarket」なども利用します。中華系・韓国系スーパーに入ると、ちょっとした旅行気分が味わえるので個人的には楽しい時間です。
アメリカはホリデーの過ごし方も(当然)日本とは違っていますが、サンクスギビングデーは、渡米当初お世話になったホストファミリーのMarthaと娘のWendy宅にお邪魔して、ディナーを御馳走になり素晴らしい経験ができました。

クリスマスシーズンに入ると、自分たちでモミの木を購入して飾り付けをして楽しんだり、
年末年始はジョシュアツリー国立公園まで旅行をしたりとオフの時間も満喫しています。
寂しいことに昨年11月に大変お世話になった京都大学の横田先生が帰国されたため、スタンフォード大で研究する日本の眼科医は現在私一人になっています。それでも、こちらでは他科の日本人の先生方や異分野の研究職の方々とも交流することができ、楽しく貴重な時間を過ごすことが出来ています。

写真:雪の残るジョシュアツリー国立公園

渡米後3ヶ月、まだまだテキパキ仕事をこなすという訳にはいかず課題は山積みですが、限られた時間で異国の生活を楽しみながら頑張りたいと思います。

最後に今度の留学にあたり、私の希望を快く受け入れて支えて下さった中村誠教授をはじめ、何度も相談に乗っていただいた楠原先生、快く送り出して頂いた神戸大眼科教室の先生方、そして各診療科のスタンフォード大OBの先生方や留学先選択の際に大変お世話になりました北海道大学の石田晋教授に御礼申し上げます。
また私の留学は「神戸大学若手教員長期海外派遣制度」及び「公益財団法人 日本アイバンク協会海外研究助成」により支援頂いており、神緑会会員の先生方ならびに神戸大学の先生方、日本アイバンク協会の方々に感謝申し上げます。

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